質問
レストラン勤務の20歳です。ワーホリ生活を楽しもうと髪をグリーンに染めて出勤したところ、オーナーからそんな色だと不快と感じるお客様がいるので、常識的な容姿でなければ雇用継続は難しいと言われました。私は髪を染め直すのは嫌だと言い、話合いの末、即日解雇されてしまいました。納得がいかないので、アドバイス下さい。
回答
まず一般的に、雇用主が従業員を解雇する場合、書面通告を何度か行うなど、一定の手順が義務とされております。もし、解雇手順に誤りがあり、その事実が雇用調停所で争われて、雇用主側の不当解雇とみなされた場合、従業員へ慰謝料等を支払う決定が下されます。
この一般的な解雇手続とは別に、事前通告なしの解雇(Dismissal Without Notice)があり、今回の質問者様は、こちらに該当すると思われます。この即日解雇が正当化される主な状況は、従業員が重大な不正行為(Serious Misconduct)を行った時に限られており、これらの不正行為の種類は、多くの場合、雇用契約書に記載されています。分かりやすい例としては、暴行や窃盗などの犯罪が挙げられますが、中には社内規定に著しく違反、会社の指示に従わなかった場合なども含まれることがあります。
接客業であれば、容姿についてある程度の社内規定を設けるのは一般的で、かつ指示に従わなかったという点で、雇用主は即日解雇に至ったのではと思います。しかし、雇用主は、即日解雇を行う前に、従業員が重大な不正行為をしたか判断するためのフェアプロセスを実施する必要があります。質問者様は、解雇直前に話合いをされたようですが、即日解雇である状況のため、これがフェアプロセスであったのか疑問が残ります。加えて、髪の色について、赤はOK、緑はNGのような細かい規定を設けている会社はほとんどないと思いますので、単に雇用主の主観で緑色が相応しくないから解雇というのは、即日解雇の理由としては不適切である可能性が高いです。実際に、髪を青に染めたスーパーマーケットのパートタイム店員が容姿が原因で解雇されるケースがありました。結果、雇用主のフェアプロセスが不適切だったことが雇用調停所で明らかになり、約$10,000の慰謝料等を従業員へ支払う決定が下されています。
最後に、質問者様の対応として、ご自身もしくは弁護士などの代理人が、即日解雇の通知を受けた日から起算して90日以内に解雇が不当であったという内容の書面(メールなど)を雇用主へ送ることで、まずは今回のクレームを法的な土台にのせることができます。