2020年4月20日
政府は3月26日のロックダウンに入る前に、既に打撃を受けている雇用主や従業員を救済すべく、Wage Subsidyの提供を開始しました。そして、その申請に早急な支払いおこない、4月17日現在で、$10 Billionを費やし、多くの市民の生活保護を行いました。
今回ご紹介する二つサポートパッケージの「Business finance guarantee scheme」と「Mortgage Holiday Scheme」は、こちらも政府主導で開始され、主にビジネスの運営やキャッシュフローを長期的に保護するためのものであり、Wage Subsidyと併用することができます。Business finance guarantee scheme は80%のリスクを政府が保証し、最大$6.25 Billionのローンを銀行と提携し成立させたサポートパッケージとなります。
最大で$500,000のローンを受ける事のできる「Business finance guarantee scheme」に関して
このスキームは、年間売上が$250,000~$80,000,000 のNZをベースにする中小企業が利用できるローンスキームで、NZの登録銀行すべてが、提供銀行として参加しています。このスキームで借りれる最高貸付額は$500,000と設定されていますが、個々の銀行はコロナウイルス影響を考慮し、独自の査定プロセスを踏み、貸し付け金が決定されます。
銀行からは今までの会計関係の書類を会計士から入手することを求められると思われますので、どこの銀行でもいいとは思われますが、すでに使っておられるある銀行に申し込む事が、ローン査定プロセスである、「信頼」や「業績」などを確認しやすく、申請が前に進みやすいかと考えられます。
このスキームの概要/注意点
- ほぼすべての職種がこのスキームの対象であるが、農業や、Property Developmentなどは、このスキームでローンを組む事ができない職種の一つ。Excluded activities Listはgov.nzで確認ができる。
- このスキームで借りた金額は3年以内に全額返済の必要があり、返済できる金額を申し込む事。
- 2020年9月30日までがこのスキームの申請期限。
- 銀行により利子や諸条件が事なるので、詳細は銀行に確認する事。
最大で6カ月のローン返済を延期 できるMortgage Holiday Schemeに関して
不動産などを抵当にして銀行に負債のある個人や中小企業が、コロナウイルスの影響で、収入に打撃を受けた際に、元本と利子両方のローン返済額すべてを、最大で6カ月間ストップできるMortgage Holiday Schemeの提供がNZ登録銀行からされる事になりました。
このスキームの最大の意図は、コロナウイルスの影響で月々支払っているローンの返済できない状況に陥った借り手が、住む場所を失わせない事であり、言い換えると、銀行はMortgage Saleで、担保の家を簡単に売却できない、となります。
このスキームを申し込まれる前にご理解頂いたいことは、支払いをストップしている期間も元本残金に対しての利子は加算されていき、利子がその期間「無し」になるわけではない、という事です。すなわち、支払いを再開する際の残金は、ストップする前の残金より増えており、最終的に支払う合計はこのスキームを利用する前より増えるということです。
このスキーム以外の救済案を提示している銀行は多いようですので、もし少額なら返済が可能であれば、「一定期間の元本の返済のみストップし、利子は払い続ける、(元本残金は増加を防ぐ)」、又は、「ローン期間を長くし、月々の返済額を少なくする。」などの救済案を提供しているか、ローンを組んでいる銀行に確認してみる事も可能かと思います。
支払いが厳しなってきたら、まず、銀行のご相談いただき、それらが提供するオプション検討されたら良いかと思います。