地震の中から見えてきたもうひとつの日本

こういう時だからこそ、未曾有の大震災に世界が見た日本の積極的な側面をあえて拾ってみました。

中国、日本人の冷静さを絶賛 「マナー世界一」の声も

地震多発国で東日本大震災への関心が高い中国では12日、非常事態にもかかわらず日本人は「冷静で礼儀正しい」と絶賛する声がインターネットの書き込みなどに相次いでいる。ビルの中で足止めされた通勤客が階段で、通行の妨げにならないよう両脇に座り、中央に通路を確保している写真(JR新橋駅の構内)が11日夜、投稿された。「(こうしたマナーの良さは)教育の結果。(日中の順位が逆転した)国内総生産(GDP)の規模だけで得られるものではない」との説明が付いた。

この「つぶやき」は7万回以上も転載。

「中国は50年後でも実現できない」

「とても感動的」

「われわれも学ぶべきだ」との反響の声があふれた。

大震災を1面で報じた12日付の中国紙、環球時報も「日本人の冷静さに世界が感心」との見出しで報じた。(共同)

日本人の対応礼賛「伝統文化に基づいた新日本誕生も」との指摘も 米研究機関討論会

討論会ではAEI日本研究部長で日本政治の専門家のマイケル・オースリン氏が

「日本国民がこの歴史的な災禍に冷静さを保って対応したことは、米国内ではイデオロギー面でまったく異なるリベラル派のニューヨーク・タイムズ紙から保守派のFOXテレビの評論家まで一様に感嘆させた」と述べ、
「日本人がこうした状況下で米国でのように略奪や暴動を起こさず、相互に助け合うことは全世界でも少ない独特の国民性であり、社会の強固さだ」と強調した。

一方、日本の文化や社会を専門とするジョージタウン大学のケビン・ドーク教授は

「日本国民が自制や自己犠牲の精神で震災に対応した様子は広い意味での日本の文化を痛感させた。日本の文化や伝統も米軍の占領政策などによりかなり変えられたのではないかと思いがちだったが、文化の核の部分は決して変わらないのだと今回、思わされた」と述べた。同教授はまた「近年の日本は若者の引きこもりなど、後ろ向きの傾向が表面に出ていたが、震災への対応で示された団結などは、本来の日本文化に基づいた新しい目的意識を持つ日本の登場さえ予測させる」とも論評した。

「被害の中でも規律保つ」インド紙が称賛の声紹介

天井や壁が完全に崩れ落ちるような災害の中でも、すべての規律が保たれていた-。

インド紙ビジネスラインは13日付で、日本への出張中に被災したインド人技術者が日本人の冷静な対応を称賛する声を紹介した。インドの部品メーカーの技術者らは栃木県内にあるホンダの研究開発施設を訪問中に被災。

「素晴らしい緊急時の態勢ができていた。すべてが精密時計のような動きだった」。

揺れが収まると社員らは集合場所に素早くそろい、あらかじめ決められた各自の役割をきびきびとこなしたという。施設から市内に出ても大きな混乱はなかったといい、「冷静さが保たれており、通信状況も含めてすべてが秩序だって行われていた」と評価した。(共同)

怒号もけんかもない 「強い国」と越メディア

「怒鳴り合いもけんかもない」

「本当に強い国だけがこうした対応ができる」。

ベトナムのメディアは、東日本大震災での日本人の冷静な対応ぶりを、在日ベトナム人らが驚き称賛する声を伝えた。 ある留学生は、長い列をつくってバスや公衆電話を我慢強く待つ光景などを挙げ「皆が冷静に秩序だって行動していた」と称賛。別の留学生は、教師が子どもたちを誘導する姿など、行政当局者から民間人までの素早い対応ぶりに驚いたという。

さらに「こうした強さゆえに、日本人は世界で最も厳しい条件の国土で生き抜き、米国に並ぶ経済レベルを達成できたのだ」とたたえる声も伝えられた。(共同)

国際支援で再発見した日本の美徳 世界との絆

日本の被災者に対する各国からの激励の言葉、救援物資、義援金など、やまない支援の広がりは、各国に日本国民の美徳、世界における日本の重要性を再認識させる機会となった。海外で暮らす日本人の多くは、現地の人々から受けた気遣いに驚きを隠せない。

「海外の人々が大災害に遭ったとき、同じ言葉をかけてきただろうか」。あるパリ在住日本人は自問した。

各国の報道も、被災者への同情と応援の言葉で満ちあふれている。
「行列では老人、子供を優先させて最後に一般の人々が続き、けんかや争いもない」(台湾紙・聯合報社説)など、称賛の声がほとんどだ。

タイ人女性記者、タパニー・イアスリチャイさん(33)が福島、宮城両県の被災地を取材。
「厳しい状況にあるのに、誰もが外国人の私に優しかった。あの人たちの故郷が一日も早く元の姿を取り戻してほしい。」

その他のコメント

私が見たTV3のニュースでも、寒い雪の中を静かに並んでコンビニへの順番を待つ人々を映し出し、賞賛していました。ニュージーランド人のレポーターは次の様な話も驚きを持って紹介していました。

「野菜を買おうとレジまで持って行った女性が停電で清算が出来ないと言われ、その野菜をそっと棚に戻していました。」

私たちにできるのは、国を挙げて、国民を挙げて「サポートされている」という実感をもってもらうこと。(安藤忠雄)

被災者の方々を「助けたい」と思っている人が大勢いるんだと伝われば、自然と「頑張ろう」って思えるのではないでしょうか。

私が彼を亡くして思ったこと…それは「自分は決して一人ではない」ということでした。「頑張って」とは誰からも言われませんでした。でも、みんなが私を支えてくれているんだと分かって「頑張って生きてみよう」と思えました。私が勤める病院でも、同僚や先輩が現地へ応援に向かいました。みんなで被災地の方々を支えたいと思っています。(NZ地震で恋人亡くした女性)

最後に私の知人の新聞記者は私へのメールで日本の様子を次の様に伝えてくれました。本人には内緒で転載します。

「戦後65年の最大の苦難を迎えている日本は、少しずつですが、荒廃した日本人の心が復興していっているような気がします。私の故郷、岩手は壊滅的な被害を受けました。私も多くの知人、友人と連絡がとれません。
しかし、危険を顧みず、福島原発へ向かう作業員の勇気と犠牲心に感謝する声があり、うちひしがれた津波被害地を支えようと行動する日本人がいます。

裕福すぎた日本では後ろ向きの雰囲気も街を支配していたのですが、何よりも今は前に進もう、前に進まなくてはいけないという力がみなぎっているようにも感じます。 今後、株価の低迷、生産活動の停滞、放射能汚染による風評被害などでかなりのブレーキがかかるはずです。

それでも、私は有史以来、天変地異にまみれてきた日本がなぜ、世界をリードできる国力を維持できているかという問いかけを考えたときに、こうした危機を乗り越える粘り、気概、互助の精神、犠牲心があるがゆえだったと思うのです私たちは、きっと、乗り越えられると思っています。」

日本で義援金の盗難や詐欺があるのも現実です。しかしながら私はこれらの記事を読み返すと元気が出てきますし、自分に出来る事は何かを積極的に考えるきっかけを与えてくれます。

皆さんはいかがでしょうか?